広瀬隆雄『米国式投資の技法』をもとに、自分なりの分析~通信株~

以前読んだ本、広瀬隆雄『米国株投資の技法』をもとに、米国株の持ち株についての分析をしてみたいと思います。

 

広瀬隆雄氏の『MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法』は、2013年12月12日に発行されていますが、非常にわかりやすく、参考になる本です。それをもとに自分なりにわかったことを書いてみようと思いました。

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成功する投資を実行するために「鉄の掟」として、以下が述べられています。

「Market Hack流投資術10カ条」

1. 営業キャッシュフローのよい会社を買え
2. 保有銘柄の四半期決算のチェックを怠るな
3. 業績・株価の動きが荒々しい銘柄と、おとなしい銘柄を上手く使い分けろ
4. 分散投資を心がけろ
5. 投資スタイルをきちんと使い分けろ
6. 長期投資と短期投資のルールを守れ
7. マクロ経済がわかれば、投資家としての洗練度が格段に上がる
8. 市場のセンチメントを軽視する奴は、儲けの効率が悪い
9. 安全の糊代(のりしろ)をもて
10. 謙虚であれ(投資の勉強に終わりはない)

「 1.営業キャッシュフローのよい会社を買え」について

著書の中で、ポイントとなる以下の点について調べてみました。

①営業キャッシュフローは、毎年確実に増えているか?
②営業キャッシュフローは、その年の純利益の数字より大きいか?
③営業キャッシュフロー・マージンは、15~35%あるか?(米国株の平均は11.9%前後)


調べた銘柄は、

Verizon Communications Inc.(VZ)

AT&T Inc.(T)

NTTドコモ

KDDI 

ソフトバンクグループ

の5つです。

(データは、YAHOO,YAHOO finance,各社IRより引用)

 Verizon Communications Inc.(VZ)

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VZは、ここ3年、売上、営業キャッシュフローはあまり増えていませんが、純利益は昨年度の倍以上に増えています。

AT&T Inc.(T)

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Tも、ここ3年、売上と営業キャッシュフローは増えず、営業キャッシュフローマージンも安定しています。

NTTドコモ

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売上の伸びは、大きくはありませんが、営業キャッシュフローマージンが伸びていることに好感が持てます。利益も着実に伸ばしています。

KDDI 

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数字は、NTTドコモと似通っていますが、営業キャッシュフロー・マージンの比率は、NTTドコモに劣っているのがわかります。

ソフトバンクグループ

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NTTドコモKDDIと比べると、圧倒的な売上の大きさ、利益の伸びがあります。

 

5社比較

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NTTドコモの2017年3月期売上4.5兆円に対して、VZは円換算で13.3兆円(約3倍)Tは円換算で17兆円(約3.8倍)となり、規模感の違いを感じることができます。

 

最後に

今後も常にまず銘柄選びの際に、

・営業キャッシュフローは、毎年確実に増えているか?
・営業キャッシュフローは、その年の純利益の数字より大きいか?
・営業キャッシュフロー・マージンは、15~35%あるか?

という点は最初に見て、その後四半期決算を追っていきたいと思います。

それにしても、本当の世界企業と国内企業とでは、こうやってみると明確に規模や利益率に違いを感じますね。

 

これまでの戦略、今後の戦略もウォッチしていきます。